データ活用の全工程をリードする、SOMPOのデータチームとは
──SOMPOホールディングスが推進する「データドリブン」戦略の中核を担うデータエンジニア、データアプリケーションエンジニアの役割を教えてください。
SOMPOホールディングスのデータエンジニアは、科学的で再現性のある「サイエンス」の領域で価値を生み出すための基盤整備を担っています。同時に、LLM(大規模言語モデル)や生成AIといった最新技術を事業に接続するための仕組みづくりも推進しています。
そして、その基盤の上で専門性を発揮するのがデータアプリケーションエンジニアです。BIツールを用いた可視化や業務を支援するパイプラインの構築を通じて、現場が直感的にデータを使いこなせる形に実装します。SOMPOグループでは「Foundry」というプラットフォームを活用し、データの加工からアプリケーション開発までを一気通貫で行っています。
私たちデータチームの独自性は、要件整理からガバナンス構築、そして具体的なシステム実装まで、データ活用の全工程に一貫して関与できる点にあります。組織規模が大きいからこその難しさもありますが、その分「グループ全体のデータ活用はどうあるべきか」という最上流の設計から携われるのは、他では得難い経験だと感じています。
──グループ全体のデータ活用を支えるなかで、特に面白さを感じることや、この仕事ならではの醍醐味は何でしょうか。
データエンジニアやデータアプリケーションエンジニアは、データに関わる「オールラウンダー」として、実に幅広い業務を担います。BIツールでの可視化やパイプライン構築はもちろん、グループ全体のデータガバナンスの策定、データ品質の管理、カタログ整備など、ユーザーが安心してデータを活用できる環境づくりすべてが私たちの守備範囲であり、こうした点に大きなやりがいを感じています。
一見すると地道な作業であっても、最終的にはビジネスに直結する大きな価値を生み出します。多くの部署と連携しながら道筋を形にしていくプロセスそのものが面白く、現場の課題を読み解きつつデータを価値につなげられることこそ、SOMPOのデータエンジニアリングならではのやりがいだと感じています。

SOMPOグループのデータガバナンスを整え、成果創出に貢献する
──チームとして成果を最大化するうえで、どのような働き方を採用しているのでしょうか。
私たちが徹底しているのは「言語化」と「ドキュメント化」です。データ分析基盤や活用プロジェクトには、予算・技術要件・環境制約など多様なコンテキストが存在します。意思決定の理由を明確に記録しておかないと、後から経緯がわからなくなってしまうため、「なぜその判断をしたのか」を必ず残すようにしています。こうした仕組みによって、新たに参加するメンバーも速やかに状況を理解し、効率的に業務を進められます。
また、メンバーごとに働く時間帯もさまざまなので、各自の専門性を最大限に生かしながら効率的に協業できる環境づくりを意識しています。ミーティングは必要最小限に絞り、必要な情報はドキュメントで整理・共有するスタイルを基本としています。
普段はリモートワークが中心ですが、Slackのチャットやハドルを活用して、気軽に相談や意見交換を行っています。一方で、大規模プロジェクトの立ち上げ時など重要な局面ではオフラインで集まり、直接顔を合わせて方向性を固めるなど、オンラインとオフラインのバランスを取っています。
──SOMPOホールディングスのデータ活用における今後の展望について教えてください。
データ活用を、一部の専門家だけが担うのでなく、より多くの社員が当たり前に使いこなせる民主化された状態へと変えていきます。これまでは部門ごとに個別最適な形で活用されることが多く、自由度は高い一方で、全体最適につながらないケースもありました。今後はデータメッシュ的にグループ全体で統一的に活用できる環境を整えていきたいと思います。
その鍵となるのが、データガバナンスの強化です。幅広い人材の利用を前提とした仕組みを整えるとともに、「どこにどんなデータがあるかわからない」といった課題を解消するため、データの所在地をデータカタログを通して明確化していきます。さらに、活用事例の可視化・共有も必要です。事例が見えることで社員一人一人が具体的な活用イメージを持ちやすくなり、データサイエンティストなどの高度なデータ活用人材以外のデータ活用にも裾野を広げられると考えています。
SOMPOグループは「データドリブン」を経営方針に掲げ、DXに本気で取り組んでいます。私たちデータチームは、その期待に応えるべく、グループの成長をけん引する存在として、データ活用の旗振り役に挑戦し続けていきます。

ビジネス理解から実装まで、一気通貫でインパクトを創出するデータ活用プロジェクト
──SOMPOホールディングスのデータサイエンティストの特徴や役割についてご紹介ください。
当社のデータサイエンティストのミッションは、分析を通じてビジネスに本質的な価値を提供することです。単に依頼されたデータを分析するのではなく、ビジネス部門の担当者と対話を重ね、現場の肌感覚や課題感を深く共有するところからスタートします。潜在的なニーズを丁寧にひもとき、表面的な分析にとどまらない本当に価値のある解決策を導くことを重視しています。
こうした取り組みの基盤にあるのが、ビジネス部門との密なコミュニケーションです。課題を特定する段階では定期的な対話の場を設け、「そもそも何を解きたいのか」という原点から議論し、分析や開発の方向性を共に定めていきます。
また、分析を行った後も「レポートを提出して終わり」ではなく、得られた知見をどう活用すれば成果の向上につながるかを検討します。例えばダッシュボードの設計やデータ更新頻度など、実際の業務で使いやすい形をビジネス担当者と相談し、現場で実行可能なアクションに落とし込み、成果が生まれるよう伴走し続けることが求められます。
──佐藤さんが現在推進しているプロジェクトについて詳しく教えてください。
損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)におけるコールセンターのテキスト分析です。従来は問い合わせ内容をすべて人が読み、手作業で仕分けしていた業務を、機械学習によって自動分類する取り組みです。
まず直面したのは、同じ問い合わせでも担当者や時期によって仕分け方に差異が見られるという問題でした。これではモデルで適切な学習ができません。そこで、ビジネス部門と相談しながら学習データを見直し、分析可能な状態へと整えました。その後、テキストのベクトル化、モデル作成、精度評価を繰り返しながら改善を重ねました。最終的にはモデルの出力結果をユーザーがチェックした上でダッシュボードに連携するまでのワークフローを構築しました。
この仕組みはすでに現場で導入され、ユーザーから「業務負荷が半減した」という声が寄せられています。また、この事例を耳にした別の部門から「うちでも同様の取り組みができないか」と相談を受け、新たに始まったプロジェクトもあります。このようなユーザーの声は率直に嬉しいですし、社内でのデータ活用の推進に貢献できていると手応えを感じています。今後もユーザーと伴走しながら改善や新たな開発を進めていきます。

成長を後押しする、社内外の知見が交差する理想的な環境
──データサイエンティストとして、さらに専門性を高めていける環境はありますか。
成長機会には非常に恵まれていると感じます。大規模かつ継続的なプロジェクトにおいて、データ分析だけでなく、データ加工からアプリケーション開発まで幅広く携われるため、多様なチャレンジを通じて自身のスキルセットを拡張できます。そのような業務のなかで、パートナー企業であるPalantir社やABEJA社との議論の機会もあります。データ活用やAI活用等の最先端をいく企業のエンジニアとの対話を通じ、社外の知見に触れられるのは、当社ならではの魅力だと思います。さらに、チーム内で定期勉強会を開催したり、セミナー参加や書籍購入の補助制度があったりと、スキルアップにつながる環境が整っています。
分析環境については、グループ共通のデータ分析基盤が整備されており、損保ジャパンをはじめとする各社の主要データにアクセスすることができます。プロジェクトごとに厳格な権限管理のもと、セキュリティが担保された環境で分析に集中できることも大きな魅力です。

──貴社のデータサイエンティストとして、求める人物像をお聞かせください。
「ビジネスインパクトを生み出す」という視点を持ち、目的意識と熱意をもって取り組めることを最も大切なマインドとして考えています。課題解決というゴールに向けて、モデルの構築といった華やかな部分だけでなく、意義ある分析結果を導き出すために不可欠なデータの前処理・クレンジングや分析結果を可視化・運用するためのダッシュボード開発など、地道な業務にも粘り強く取り組める柔軟な姿勢が求められます。
「そのデータ分析がどのようなビジネス課題の解決に資するのか」という問いを常に考え、言語化できることが大切です。分析結果から導き出される成果を事業貢献と結びつけて考えられる力は、当社でも必ず生かされます。
SOMPOグループは事業領域が広く、関わるステークホルダーも多岐にわたります。時には経営層に対して説明する場面もあるため、わかりやすく伝える力や、多様なステークホルダーと協調できるコミュニケーション能力も大きな武器になります。共に挑戦し、成長し合える仲間と出会えることを心から楽しみにしています。

